ンバウンドマーケティングは、従来のアウトバウンドマーケティングと対極に位置するマーケティング手法です。

インターネットやITツールの普及に伴い、消費者の購買行動は大きく変改しています。

この記事ではインバウンドマーケティングの概要から具体的な手法、利点・注意点までを解説します。

営業手法を改善して集客率を改善したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

インバウンドマーケティングとは?

インバウンドマーケティングとは?

インバウンドマーケティングとは顧客とコンテンツが自然に出会い、徐々に顧客をファン化するマーケティング手法です。

一般的にはWebサイト上でCVを発生させて、受注や商談につなげるマーケティング施策を指します。

従来はテレビCMやDMで無理やり顧客の注意を引こうとする、アウトバウンドマーケティングが主流でした。

しかし近年はデジタル技術の進化や口コミを重視する傾向が強まっており、アウトバウンドマーケティングの費用対効果は下がっています。

情報過多の時代に突入したことで、消費者は情報の受け手から情報の検索者へと変わったのです。

実際にトライベック・ブランド戦略研究所の調査(2024年)によると、BtoBにおける顧客の情報源のおよそ6割は「企業のWebサイト」であることがわかっています。

参考:BtoBサイト調査 2024|トライベック・ブランド戦略研究所

インバウンドマーケティングは消費者が能動的に情報を取得して、顧客になるまでのプロセスを担う重要なマーケティング手法です。

コンテンツマーケティングとの違いとは?

コンテンツマーケティングはインバウンドマーケティングと混同されやすいですが、インバウンドマーケティングの概念の1つです。

コンテンツマーケティングとはインバウンドマーケティングの手法の1つで、インバウンドマーケティングの概念に基づいて手法を実践します。

具体的には、自社の認知度を高めたり顧客の関心を引き出したりします。

インバウンドマーケティングの成功には、コンテンツマーケティングの設計をしっかりと作り込むことが重要です。

インバウンドマーケティングの代表的な手法

インバウンドマーケティングは、4つのフェーズに分けて実践します。

フェーズ取り組み方
1.ATTRACT(惹きつける)顧客の課題やニーズを解決するコンテンツを配信する
2.CONVERT(転換する)見込み顧客情報を獲得してリード化する
3.CLOSE(顧客化する)商品・サービスの購入により顧客へと転換する
4.DELIGHT(ファン化させる)顧客満足度を高めて長期的な関係を構築する

以下のようにそれぞれのフェーズに適した手法を活用し、より効果的な施策を実行しましょう。

  • オウンドメディア
  • SNS
  • ホワイトペーパー(eBook)
  • LP
  • セミナー・カンファレンス
  • メール
  • MAツール
  • インサイドセールス

オウンドメディア

オウンドメディアとは自社が所有するメディアのことです。

オウンドメディアでは自社の商品・サービスを認知してもらうための情報を発信し、ファンになってもらうことを目的としています。

SEOに力を入れれば、見込み顧客の流入を増やしてリード育成が促進されるでしょう。

SNS

InstagramやX、LinkedInといったSNSは若年層の利用率の高さが特徴です。

ユーザーが共有したくなるような情報や写真を発信して、自然な形でリードを広げる戦略を取りましょう。

EBook(ホワイトペーパー)

EBookとは、ビジネスの課題を解決する情報を記載した資料のことです。

無料でダウンロードできる代わりに、顧客の連絡先を取得して次のアプローチへとつなげます。

専門性をきちんとアピールして、顧客の信頼を獲得するようなコンテンツを作り込みます。

LP(ランディングページ)

LPはリード獲得に最も重要なインバウンドマーケティングの1つです。

Webサイト上のコンテンツや情報が不足していると、製品・サービスは選ばれにくいものです。

製品情報や料金、事例などを視覚的にわかりやすくデザインして、ページ内の情報を充実させましょう。

セミナー(カンファレンス)

セミナーは顧客とコミュニケーションを取る機会を設けて、情報提供や質疑応答を通じて信頼を構築するインバウンドマーケティングです。

オンラインとオフラインどちらでも実施できますが、オンラインなら時間や場所にとらわれず幅広いリーチができます。

また、アーカイブを残しておくと継続的なリード獲得にも役立ちます。

メール

メールは、CONVERTフェーズからCLOSEフェーズへ進むために重要な役割を果たすインバウンドマーケティングです。

見込み顧客の属性やWebサイトの閲覧履歴などから、関連性の高い情報を届けて商談へと導きます。

MAツール

MAツールとは新規顧客の開拓や既存顧客の育成に活用するツールで、リードの管理やメール配信を自動化する機能を備えます。

具体的には顧客に合わせて効率よくコンテンツを提供したり、ABテストで効果検証を行なったりできます。

インサイドセールス

インサイドセールスとはオンラインツールを活用して、非対面でリードに営業を行う手法のことです。

見込み顧客の状態を横断的に見ることで、最適なタイミングでアプローチをかけられるでしょう。

人手不足や働き方改革に取り組むためにも、合理的な手法といえます。

インバウンドマーケティングの効果

インバウンドマーケティングの効果

昨今インバウンドマーケティングの重要度が増しているのは、顧客の購買行動の変化にあります。

前述したとおり消費者の情報源は企業が発信する情報ではなく、SNSや口コミなどを能動的に取得する情報へと変化したのです。

ここから、インバウンドマーケティングがもたらす効果を見ていきます。

  • 顧客起点のマーケティングにより良い印象を持たれやすい
  • 高い費用対効果が見込める
  • データを定量化して分析・戦略に活かせる
  • 自社の情報が拡散されると売上につながりやすい
  • コンテンツを資産化できる

インバウンドマーケティングはアウトバウンドマーケティングに比べて、費用対効果が高いのが利点です。

アウトバウンドマーケティングは、テレビCMや雑誌への広告に莫大な費用がかかっていました。

インバウンドマーケティングでもSEO対策やWeb広告に費用がかかるものの、アウトバウンドマーケティングほどではありません。

また、コンテンツを投下したら、顧客や見込み顧客を誘導するだけで済みます。

コンテンツの価値が高ければ拡散されることもあり、企業が直接宣伝するより他の顧客に受け入れられやすいのも魅力です。

インバウンドマーケティングの注意点とは

インバウンドマーケティングの注意点として、以下が挙げられます。

  • すぐに効果が表れにくい
  • コンテンツ制作には専門的な知識が必要になる
  • アプローチ数に限りがある

インバウンドマーケティングは、中長期的な視点で成果を上げるのが前提です。

そのためオウンドメディアやSNSを立ち上げても、見込み顧客から問い合わせがあるのを待たなければなりません。

問い合わせ後も見込み顧客とコミュニケーションを重ねて、顧客への育成も必要です。

また、消費者の変わりゆくニーズに応えるために、コンテンツを継続的にブラッシュアップする必要があります。

インバウンドマーケティングの成功事例|freee株式会社

freee株式会社は個人や企業向けに、クラウド会計・人事労務ソフトを提供しています。

freeeが提供するオウンドメディア「経営ハッカー」では、インバウンドマーケティングを展開しているのが特徴です。

経営ハッカーでは会社設立や経理に関する基礎知識や実践例を、図解を用いて掲載しています。

自社の会計ソフトの無料トライアルを用意して、顧客をサポートする情報とスムーズな製品導入への流れを用意しています。

まとめ

インバウンドマーケティングは価値ある情報を継続的に発信して、顧客と信頼関係を構築する新しいマーケティング手法です。

消費者が能動的に商品・サービスの情報を取得する今、企業はインバウンドマーケティングへ注力する必要があります。

MAツールなども活用して、中長期的な目標を持って施策に取り組みましょう。