工数管理は「だれが・どの作業に・どれくらい時間をかけたのか」を記録して、業務改善に役立てる活動です。
業務の現状を可視化することで、人的リソースの価値を高めたり短納期化の課題を解決できたりします。
当記事ではITエンジニアを200名以上抱え、日々エンジニアのスキル管理を25年経験してきて効率化し、スキル管理ツールを開発・運用している弊社、DXサービス事業推進部 佐々木舞美がプロジェクト成功の鍵を握る、工数管理の重要性や「Excel」と「工数管理ツール」の違いをわかりやすく解説します。
工数管理が失敗する4つの原因もお伝えするので、プロジェクトを完遂して利益を最大化したい方はこのまま読み進めてください。
工数管理とは?重要性と失敗する4つの原因

工数管理とはプロジェクトにかかる時間や人数、業務量を算出して業務効率化やコスト削減につなげるツールです。
工数は「プロジェクトに必要な人数×所要時間」で求めることができます。
簡単にいうと「だれが・どの作業に・どれくらい時間をかけたのか」を記録して、業務改善に役立てる活動といえます。
業務の現状を可視化することで「限られたリソースの価値をどうやって最大化するか」「品質の高さをどうやって維持するか」「短納期化には何が必要か」が見えてきます。
しかし現場で工数管理を行なっているにも関わらず、成果が出ないと嘆いている方も多いのではないでしょうか。
工数管理が失敗する原因として考えられる、4つの要素について以下にまとめました。
- メンバーがやらされ感を感じている
- プロジェクトに必要な作業量を把握していない
- 工数入力(日報)が適当に行われているため
- 工数管理の結果に対してアクションをとっていない
ここから、工数管理がうまくいかない4つの原因を分析したいと思います。
メンバーがやらされ感を感じている
管理者主体の工数管理は結果を重視するあまり、メンバーに精神的負担を負わせているケースがあります。
メンバーが「効果を実感できない」「監視されている感じが嫌だ」といった感情が高まれば、工数管理に懐疑的な見方をしてしまうものです。
また、やらされ感が嫌で仕事のモチベーションが低下している可能性も否めません。
プロジェクトに必要な作業量を把握していない
プロジェクトに想定される作業を把握していなければ、工数管理はうまくいきません。
プロジェクトを達成できる作業量を見誤ると、カツカツなスケジュールを組んだり納期に間に合わなかったりといった事態が起こります。
それぞれのタスクにどれほど時間がかかるか、作業が難しい箇所はどこかなどを理解したうえで、工数管理を行う必要があります。
日報がいい加減に入力されているため
いい加減に入力された工数管理表では、業務改善やコスト削減の目的が果たせません。
工数管理表は入力者が利用しやすいように、直感的かつ簡単に入力できるツールが必要となります。
工数管理の結果に対してアクションをとっていない
工数管理に日報を入力するだけで終わってしまい、コミュニケーションが疎かになっていませんか。
業務の現状が明らかになっても、良かった点を確認し合ったり改善策を立てたりするアクションがなければ、意味がありません。
情報共有や意見交換は積極的に行ない、プロジェクトを効率的に進められるようにアイデアを出し合うことが大切です。
工数管理の4つのメリット

プロジェクトのスケジュールが組みやすくなる
適切に工数管理を行えば、プロジェクトのスケジュール調整がしやすくなります。
「だれが・どの作業に・どれくらい時間をかけたか」を把握できるので、納期に間に合うスケジュール作成が可能です。
時間がかかりそうなタスクは予定を変更する、チームで支援するなど、対策を立てやすいところもポイントです。
プロジェクトごとの生産性や利益率を把握できる
正しい工数管理でプロジェクトごとの生産性や利益率がわかります。
どれだけ工数がかかっているかを可視化することで、黒字プロジェクトと赤字プロジェクトを見つけられますし、課題も見えてきます。
課題を克服することで生産性が向上し、利益に結びつけることが可能です。
適材適所の人材配置がしやすくなる
工数管理で「誰がどの業務を担当すれば効率的か」わかるので、目的に沿った人材配置を実現できます。
業務負担が多いようならやり方を見直せますし、次のプロジェクトに活かすこともできるでしょう。
また、プロジェクトが予定通り進めば、予算や人件費といったコストの最適化にもなります。
個人個人の作業効率が上がる
工数管理で作業時間が明確になるため、ムダなく業務が進行し作業効率が上がることが期待できます。
プロジェクトメンバーが時間を意識して作業にあたることで、コスト意識が芽生えるのもメリットです。
「プロジェクト黒字化のため○○費を△△円まで抑えましょう」と目的を具体的に設定して、納得感を持って行動してもらうことが大切です。
利益最大化にはコストを抑えて生産性を高めることが大事なので、工数管理はプロジェクトに欠かせないツールといえます。
工数管理ツールとExcelのメリット・デメリット比較
工数管理ツールとエクセルのメリット・デメリットを表にまとめました。
工数管理ツール
メリット | デメリット |
プロジェクトの進捗や予算・実績を一元管理できる | 導入コストが高い |
カスタマイズ性が高い | 慣れるまで時間がかかる |
勤怠管理ツールやGoogleカレンダーなどと連携し入力の負担を軽減 | |
入力項目の不備や進捗が遅いときに通知で知らせてくれる | |
同時編集が可能で作業効率アップ | |
ドラッグ&ドロップで簡単に操作できる | |
アプリ対応でいつでもどこでもアクセス可能 | |
ツールによってはフリーソフトや無料プランがある |
メリットの多さからわかるように、工数管理には「工数管理ツール」が最適です。
例えばプロジェクトや既存のワークフローに沿ったカスタマイズ性の高さ、他ツールと連携して入力の負担を軽減できるところが優れています。
プロジェクトをマネジメントする人からメンバーまで、進捗状況や情報を共有しながら仕事を効率的に進めてください。
Excel(エクセル)
メリット | デメリット |
工数管理のテンプレートが豊富 | 手作業による工数入力は時間がかかる |
価格が安い | 入力ミスが起こりやすい |
機能や入力に慣れている人が多い | 同時編集に向かず作業効率が悪い |
集計・分析に時間がかかり更新も大変 | |
属人化の恐れがある |
一般的にエクセルの工数管理表は、WBS形式かガントチャート形式で作成します。
テンプレートが豊富で作成する時間や手間を軽減できますが、手作業での入力は大変です。
工数管理の効果を得るには時間がかかるため、長期間の運用や大人数のマネジメントを検討している方は工数管理ツールをおすすめします。
【無料あり】工数入力・管理におすすめのクラウドサービス『fapi』

『fapi』は、ソフトウェア開発・製造業の工数管理におすすめのクラウドツールです。
メンバーのスキルやアサイン状況を一元管理して、最適なプロジェクトアサインによって生産性向上を実現します。
fapiの強みはスキル情報を元に細かい絞り込みと部門横断を行い、迅速かつ的確なメンバーを見つけられることです。
実際にとある企業は脱Excel化・脱属人化に成功し、全体の業務工数を85%もカットできました。
fapiならExcelの課題だった「集計・分析が大変」「リアルタイムの情報がわからない」「本当はもっと適任者がいるかもしれない」などを解決できます。
プロジェクトに関するスキルや工数管理、予実管理などあらゆる情報をシステムに集約して、利益の確保を目指してください。
一カ月間の無料トライアルでは全機能を使って、操作性の良さやカスタマイズ性の高さを確認できます。
WEB上で資料のダウンロードもできますので、この機会にぜひエクセルとの違いを体験してみてください。
まとめ
今回はプロジェクトにおける工数管理の重要性や、Excelと工数管理ツールの違いを比較してお伝えしました。
結論からいうと、工数管理に最適なのは「工数管理ツール」です。
工数管理ツールは入力の負担を軽減し自由度の高いカスタマイズで、業務効率化や利益最大化を実現します。
おすすめツールの『fapi』はプロジェクトに必要なスキルやアサイン状況、工数管理をシステムに集約し最適なメンバーを選出できます。